精神遅滞児を持つ母親の不安に関する研究 : 東京都とソウル市の調査をとおして
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概要
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精神遅滞児を持つ母親が感じている不安について、東京都の養護学校とソウル市の特殊学校に在籍する小学校の精神遅滞児を持つ母親を対象として行った。調査はCAS不安検査、親子関係診断テスト、母親の不満や精神的負担に関する質問項目からなる調査票を用いた。分析の方法は、まず単純集計から両地域の母親の属性及びおかれている状況を検討し、さらに数量化1類と重回帰分析を用いて母親の不安と関連の認められたものを検討した。その結果、東京都の母親に不安の低い群が多く、ソウル市では高い群が多いこと、養育態度については両地域ともに拒否型、溺愛型の割合が高いこと、さらに、障害児の養育態度、社会の理解に不満や精神的負担を感じていることがわかった。数量化1類と重回帰分析を用いて母親の不安を分析した結果、両地域ともに「家族の要因」と「母親の健康状態」が不安と関連が大きい要因であった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1986-12-29