弛緩訓練による脳性まひ児の動作の変容について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
動作訓練によって脳性まひ児の動作不自由が著しく改善されることについては、多くの報告がなされている。本論文は、弛緩訓練を実施した1人の子どもの症例をとり上げ、弛緩訓練のみでどのように動作の変容がなされるのかを検討し、あわせて弛緩のもつ意味についても検討を加えるものである。訓練は、週1回の定例訓練を主とし、約3ヵ月間の経過をまとめたものである。結果として、(1)、弛緩訓練だけで種々の日常動作に著しい変容をもたらす。(2)、ゆるみの受容についてみると、最初の段階では、弛緩訓練によってそれまでとは違った身体感覚がもたらされ、その結果、反動的に不安緊張の一時的な増加がもたらされるが、ゆるみが受容されると、その部位に動作が出現する。(3)、動作変容の経過には、一時的な崩れが生じるが、この崩れは、次のより高次な動作出現のまえぶれになるということが明らかになった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1980-09-30