精神薄弱児の血管反応条件反射
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概要
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精神薄弱について、皮膚電気刺激を無条件刺激、音を条件刺激として血管反応条件反射の形成、汎化現象、分化形成、信号の意味の変換等の実験を多田考案の方法で行なった。また諸種類型とそれらとの相関を検討した。本研究の目的はこれらの状態を知ると同時に教育治療を科学的理論的に探求模索する点にある。その結果、精神薄弱児では条件反射形成に多くの強化を必要とし、分化形成、信号の意味の変換などは困難であった。知能指数等と条件反射形成の難易性に有意差はなかった。また、分化形成で病理的なものが形成され易かった。高次神経活動からみた基本型で、条件反射形成は速く、分化形成も容易な傾向を認めた。分化形成容易症例は臨床的に、おとなしく従順で努力的といった傾向がみられた。同時に信号の意味の変換も敏感に反応し易い傾向を認めた。また、超限抑制についても論じ、精神薄弱児教育の実践について若干の示唆するものを得た。
- 1979-03-15