精神薄弱児の知覚的好奇心に関する一考察 : 不調和図形への注視時間と選択反応を指標にして
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概要
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本研究は、照合的特性をもつ図形が精神薄弱児・普通児の知覚的好奇心を引き起こす効果について検討した。あわせて従来の研究で、知覚的好奇心の指標とされてきた注視時間と選択反応の測定についての検討を行なった。その結果は次の通りである。(1)照合的特性をもつ図形と普通の図形を同時に呈示した場合、精薄児は普通児と同じく前者に、より長い注視時間を費した。この傾向は女性よりも男性に明確であった。また呈示時間が長くなると両図形への注視時間の差はなくなった。(2)照合的特性をもつ図形と普通の図形を同時に呈示した場合、普通児の方が前者の選択はやや高かったが50%以下であった。性差は明らかにならなかった。(3)各被験児ついて注視時間の長さと選択率の相関を求めた結果、かなり高い相関がみられた。(4)いずれを指標にしても知覚的好奇心は測定されるが、注視時間の方に強く表出していると考えられる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1979-03-15