進行性筋ジストロフィー児の自己意識に関する一研究
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概要
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本研究ではDMP児の自己意識をインベントリーならびにSCTを用いて考察し、以下の知見を得た。DMP児の身体的意識は健常児とは差があったが、脳性まひ児とは差がなく、身体障害という影響はあるにしてもprogressiveでfatalというsomaticな要因の影響については明確にされなかった。しかしながらDMP児は現在の自己の身体を否定的に見ており、肯定的な理想像への志向性をもっていて、かつこの傾向は加令とともに著しくなった。DMP児の社会的意識は健常児、脳性まひ児とも差がなかった。またDMP児はその接する他者に対して様々な異なった意識を有していることが知られた。家族に対しては肯定的な評価をしているのに反して、その日常生活において密接な依存関係にあると考えられる教師及び病院職員に対しては否定的な意識をもっていることが見い出された。
- 1976-03-15