重度精神薄弱者の能力評定法とその発達に関する一考察
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概要
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この調査の目的は、1)外界認知能力を指標として重度精神薄弱者の能力を評価することが出来るかどうか、2)外界認知能力の変化量と他の2つの能力(身体能力、日常生活能力)の変化量との間に比例関係があるかどうかの2点を検討することであった。ここでいう外界認知能力とは、外界の刺激を認知し、それに対し積極的に働きかける能力と定義される。調査の結果、外界認知能力が重度精神薄弱者の能力を評価する指標となること、及び外界認知能力の変化量が大きいほど他の2つの能力の変化量も大きいことが明らかになった。このことは重度精神薄弱者の能力を把握する際に外界認知能力が重要な指標となることを示すものである。従って、いかにしてこの外界認知能力の発達を促すかという方法を検討することが今後の問題として残されたといえよう。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1975-12-15