高専における学生相談の現状と課題
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概要
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現在の高専の学生相談は,ニーズの高まりと多様化に比して,受け入れ体制の不備が目立つ.多くの高専は5年一貫,学科別編成で,高い専門性を持つユニークな教育機関であるため,高専生の悩みも独特である.高専には教育システムに由来する閉鎖性や逃げ場のなさがあり,学生に目的意識の喪失や,選択の狭さに対する閉塞感を感じさせている.学生相談室員をとして相談に訪れやすい環境づくりに取り組み相談件数が急増した実践事例を踏まえ,相談に訪れやすい環境づくりの重要性を考察した.また,保健室や学生相談室という設備の充実と,看護師やスクールカウンセラーという人的資源の充実,さらに連携強化のためのシステムの構築の課題を示した.高専教員は,担任や部活動の顧問,卒研の指導教員であるないにかかわらず,学生がもつ個性を自覚した上で,それを無理に変えることなく,求められたときに適切に「話を聴く」姿勢をとることが重要である.
- 2008-05-20