倒立平行二輪車の制御
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概要
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本研究では,二つの独立かつ平行な駆動輪で倒立を行う移動機構(以降「倒立平行二輪車」と表記する)について取り上げ,制御応答のシミュレーションを,数学的なモデリングと最適制御系の設計を通して行った.また,実機を製作し,設計した制御系の実装や製作の際に必要な事項について検討した.倒立平行二輪車は,台車と棒による倒立振子問題の,台車の代わりに駆動輪を用いたものに相当する.これに加えて,左右の駆動輪を独立させることで,制御対象としては倒立振子にヨーイングの自由度を加えた3自由度系として考えることができる.数学的モデリングの過程では,倒立平行二輪車の図式的モデルから運動方程式を立て,状態方程式を導いた.また,駆動輪における実トルクを車体についての仮想的なトルクで置き換えることで,モデルが2つに分割できることとそのメリットを示した.シミュレーションには,オープンソースの数値計算プラットフォームであるScilabのODEソルバを用いた.実機製作では,モータに流れる電流をローカルで制御したうえで,駆動輪の回転角度と車体の回転速度を検出し,ソフトウェアサーボによって制御が可能であることを確認した.
- 2008-05-20