胚発生維持・栄養成長相転換を制御するクロマチンリモデリング機構(<特集>エピジェネティクスによる植物の成長・分化制御)
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概要
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ゲノム全体に渡るグローバルな遺伝子発現制御をもたらすクロマチンリモデリング機構に関する研究が近年飛躍的に進展し,シロイヌナズナを中心に,高等植物の発生・分化を制御する重要な因子であることが明らかにされつつある.クロマチンリモデリング機構において重要な役割を果たすヒストンタンパクのアセチル化/脱アセチル化とメチル化は互いに協調して機能するものと推測されており,植物の生活環の中で成長相の転換時に大きな役割を果たしている.種子発芽時には,それまで維持されてきた胚発生の遺伝的プログラムを強制的に抑制し,栄養成長相へと円滑に移行させることが必須であり,その過程に異常を示すクロマチンリモデリング因子変異体が単離され,その解析が進められている.本稿では,ヒストンアセチル化/脱アセチル化因子とヒストンメチル化を担うポリコーム因子に関する最近の研究事例を紹介する.
- 植物化学調節学会の論文
- 2008-05-31
著者
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鎌田 博
筑波大学大学院生命環境科学研究科(遺伝子実験センター)
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針金谷 尚人
筑波大学大学院生命環境科学研究科(遺伝子実験センター)
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田中 元気
筑波大学大学院生命環境科学研究科(遺伝子実験センター)
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鎌田 博
筑波大学大学院生命環境科学研究科
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