ポリコーム複合体による植物の発生制御(<特集>エピジェネティクスによる植物の成長・分化制御)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
植物の発生過程では,発生のフェイズに応じて様々なセットの遺伝子発現が必要となる.例えば,花を咲かせるフェイズ(生殖成長相)では, AGAMOUS, PISTILATA等の様々なホメオティック遺伝子の発現が必要であるが,これらの遺伝子は栄養成長のフェイズ(栄養成長相)においては必ずしも必要ではない.また,種子形成に必要な遺伝子群も,他の発生過程では発現が抑制されている必要がある.シロイヌナズナの突然変異体の解析から,これらの遺伝子の発現抑制に関与するポリコームグループ(PcG)タンパク質の役割が明らかになっている.PcGタンパク質は進化的に保存された複合体を形成し,ショウジョウバエやヒトではヒストンH3の27番目のリジンをメチル化する活性を持つ. PcG複合体によるヒストン修飾が,細胞分裂を通じた遺伝子の発現抑制に重要であると考えられている.本稿では,シロイメナズナの解析から明らかになってきた,PcG複合体による植物の発生制御を概説する.
- 植物化学調節学会の論文
- 2008-05-31
著者
-
池田 陽子
岡大農
-
石川 亮
奈良先端大学バイオサイエンス研究科gcoeリサーチグループ
-
木下 哲
奈良先端大学バイオサイエンス研究科GCOEリサーチグループ
-
池田 陽子
奈良先端大学バイオサイエンス研究科GCOEリサーチグループ
関連論文
- ポリコーム複合体による植物の発生制御(エピジェネティクスによる植物の成長・分化制御)
- (322)Pseudomonas syringaeの生産する過敏感反応誘導因子(6)P.syringaeのflagellinの糖鎖修飾に関わる推定遺伝子領域の解析(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (321)Pseudomonas syringaeの生産する過敏感反応誘導因子(5)P.syringaeの生産するflagellinのタバコに対する過敏感反応誘導特異性(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- Pseudomonas syringaeの生産する過敏感反応誘導因子(4)べん毛変異体を用いたflagellinの機能解析(関西部会講演要旨)