汪精衛政権下の民衆動員工作 : 「新国民運動」の展開
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概要
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江精衛政権下で民衆動員工作として展開された「新国民運動」は,1941年後半,日米開戦を睨みつつ構想された。当初の「主義や機関を立てない」という方針を転換し,アジア主義的理念が掲げられ,新国民運動促進委員会を主軸とする民衆動員体制が立ち上げられた。開戦を機に,そしてこの運動を梃子に,政権への民意暢達を図った。日本側も運動の設計や指導に深く関わった。しかし,新国民運動促進委員会をはじめ民衆動員組織は複雑に錯綜し,「組織の重層化」状況が現出した。清郷工作が頓挫し汪の国民党も無力で,運動は推進基盤を喪失した。地方末端への浸透も限定的で,民心の獲得に失敗した。
- 2008-05-25
著者
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