幼稚園から小学校への移行に関する子どもと生態環境の相互調節過程の分析 : 移行期に問題行動が生じやすい子どもの追跡調査
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概要
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本研究は,幼稚園から小学校へ入学する際,子どもたちがどのようなプロセスを経て移行をしていくのかその実態を描き出すことを目的とする。方法にはSuper & Harkness (1986)による「発達的ニッチ理論」を援用し,子どもを能動的な存在として環境と相互に調節し合う関係に注目した。また,「発達的ニッチ理論」を学校文化に沿うように再定義し,「学校発達的ニッチ」と名付けてその相互調節過程を幼小移行過程と捉えて分析をした。対象はA幼稚園とB小学校とし,両者は同地域内に立地していたことから5人の子どもたちを追い続けることができた。観察は小学校入学の4月を中心に9ヶ月間,過1回の割合で行い,さらにインタビューを年長組と1年生の担任教師,両者を移行した子どもたちの母親に実施した。その結果,子どもだちと学校発達的ニッチ間において相互調節の仕方が異なる点や子どもによる相互調節に対する積極性の差異が問題を生じやすくする点として見出された。また,学校発達的ニッチの3要素に影響を与える生態環境の中に今後の幼小移行における課題の一部が明らかになった。
- 日本発達心理学会の論文
- 2008-05-10
著者
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