音楽現象から考察する名曲の仕組み(その2)
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概要
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ギリシャ以来の大問題である音楽現象は、名曲・名演奏の仕組みを解明するという究極の大問題へ向かって、今日の音楽心理学、音響心理学等に引き継がれて取り組まれてきた。特に音楽心理学では1956年のL.B.Meyerの歴史的論文Emotion and Meaning in Musicに端を発してアメリカを中心に著しい研究成果を挙げてきた。が、それでも究極の大問題にはたどり着いていない。私は音楽を、ベルグソン哲学に根拠をおく「凝縮された進化体験」と位置づけている。"今"は過去(記憶)と相互浸透されることで意味を生じ、鳴らされている今の音(現在)も、聴いた音(過去)との関係で音楽性を獲得できるといえる。こうした考えは、古典の名曲とりわけバッハ作品の分析から導き出されたものである。名曲の仕組みと音楽現象の解明とを結びつけることが論文の目的である。全体は考察と楽曲分析から成り立つが、当論文はその中のバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト楽曲の作品分析を主体とする後半部分で、前半の理論編は省かれている。
- 2005-03-31
著者
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