ナチズム崩壊後のベルリン造形芸術大学改革への芸術教育者G・フィーツの貢献
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概要
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1950年代に,戦後の新しい芸術家世代が芸術大学で行った芸術教育の講義録を手掛かりとして,彼らが戦後の芸術大学改革にどのように貢献し.何を達成したのか.この点を本論文で明らかにしたい。それによって,現代の芸術教育へとつながる改革的な芸術教育観の歴史的文脈と精神を解き明かす手掛かりを得ることができる。戦後1940年代のベルリン造形芸術大学には,ナチ時代以前の芸術教育改革運動で活躍した芸術家たちが多く関わっていた。彼ら戦後第一代教授層によって,戟後の芸術大学改革に<伝統的な表現方法を教えるアカデミックな教育の克服>,並びに<造形的実験・探求を通して自らの表現を発見・発展させる>という改革精神がもたらされた。G・フィーツは1957年に同大学に教授として招聘された。彼の芸術教育は,実験的制作を通して,学生たちが自ら体験的に新しい表現を発見・展開できるように組み立てられていた。この表現を構築するプロセスとしての芸術教育によって,第一代教授層が目指した,<学生たちがオリジナルな表現を展開できる教育>の実現可能性が示された。この芸術教育は,分析的・構築的な芸術教育として60年代に受け継がれた。<材料・素材-組み立てること(Montage)>というプロセス性としての実験的・探求的芸術教育学の命題として,教育学者たちの芸術教育論にも取り入れられていった。
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