外海を基準とした有明海のM_2潮増幅率の変動特性と諌早湾潮受け堤防建設による影響
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概要
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外海を基準とした有明海のM_2潮増幅率について検討を行なった。まず,M_2潮増幅率は外海のM_2潮振幅と負の相関関係にあり,月の昇交点運動による18.6年周期のM_2潮振幅の変動と逆位相で変動していることをケンドールの順位相関係数を用いて定量的に示した。これより,諌早湾潮受け堤防の締め切りによる増幅率への影響を調べるには,外海における振幅が等しい場合を比較する必要があることが分かった。その結果,外海のM_2潮振幅が大きい時は,湾口の口之津では締め切り後にM_2潮増幅率が大きくなっており,湾奥の大浦では締め切り前後での変化はほとんど見られなかった。一方,外海のM_2潮振幅が小さい時は,口之津では変化がほとんど無く,大浦では締め切り後に小さくなっていた。湾央の三角では大浦と口之津の中間的な性質を示した。以上より,締め切りが有明海の潮汐に与えた影響は入射する潮汐波の大きさにより変化し,空間的にも特性が異なることが明らかとなった。
- 2008-05-01
著者
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矢野 真一郎
九州大学大学院工学研究院環境都市部門
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田井 明
九州大学大学院工学府海洋システム工学専攻
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矢野 真一郎
九大院
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矢野 真一郎
九州大学大学院工学研究院
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田井 明
九州大学大学院工学研究院
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田井 明
九州大学大学院 工学研究院
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矢野 真一郎
九州大学大学院 工学研究院
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