対ヤマトの文化人類学(<特集>「琉球」研究を求めて)
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概要
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例えば,沖縄という地域に関する用語一つを取り上げても,行政的概念と民俗的概念とは異なっている。両者のなかで,文化や社会構造研究の一環として注目されねばならないのは民俗概念であろうと考える。それは下はシマ(村落)相互のレベルからから上はヤマト(本土)に対置されるレベルまで一連のものとして捉えることが可能であり,しかもそれぞれのレベルにおいて土地の人々の微妙な違和感や自他意識を読みとることが可能である。このような地域に関する民俗概念の連続体として一括できる最大の範域,すなわち対ヤマト意識共有地域を文化自体が刻み込んだ「沖縄」文化地域と捉えてみたい。
- 日本文化人類学会の論文
- 1996-12-30