電媒脈波圖の研究 : 第七報 動脈硬化症患者に於ける頭部電媒脈波圖
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概要
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頭蓋腔内脈波の檢索として,健常者に就き著者は既に電媒脈波計に據り一脈波圖を得たり.更に著者は動脈硬化症患者に就き同脈波圖を描寫し,該曲線が正常時のそれと異なり,特有の波型を呈することを認めたり,即ち1)前期動搖に就ては,其振幅の縮小並に全持續時間の短縮を著明に認めたり.而してこの全持續時間の短縮は横波が心臟より頭部に至る迄の傳達時間の短縮を意味す.尚大動脈瓣の開口に該當する本動搖の起胎點a"の時間的位置は正常時のそれと相一致するを見,之は著者の提唱せる縦波の傳播がその途中に於ける動脈管の硬化有無に關係なきものに非ずやを想はしむ2)主動搖に就ては,曲線中波形の變化最も著しく,その變化の状態に依り波形を三型に分類せり.斯かる多様なる變化は畢竟動脈管の硬化程度如何に因るに非ずやと考へらる 木動搖の超始點aの時間的位置は正常時に比しより前逞し,又本動搖全持續時間は著しく延長するを認めたり.3)副動搖に就ては,其波形が正常時に比し平坦化せるを認めたり.上記諸變化は動脈硬化症に特有のものにして,従つて是等は正常時との鑑別に對し不可欠の根據たり得るものと信ず.斯くて本圖の吟味より得たる成績は正常時のそれと相俟つて頭蓋腔内血流状態の探究に對し,臨床上極めて有意義なるものと信ず.
- 1937-07-01
著者
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