摂食障害における自閉性傾向の検討 : 自閉性スペクトラム指数(AQ)を用いた調査から
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概要
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摂食障害(ED)の病態は多様化しており,精神疾患の先行・併存している可能性に留意する必要がある.近年,日本でもアスペルガー障害と神経性無食欲症(AN-R)の併存例が報告されている.しかしED全体の自閉性傾向の調査は報告されていない.今回,自閉性スペクトラム指数日本版(AQ)を用いてED全体の自閉性傾向を検討した.ED患者は健常人よりもAQ値が高い傾向にあった.また,自閉性障害圏を強く疑う33点以上を示した症例は全例排出行為を伴っていた.AN-Rにおいては,AQとBMI(body mass index)に負の相関を認め,AQとEDI(Eating Disorder Inventory)には正の相関を認めた.1年後の追跡調査では,AN-RにおいてBMIの増加はみられるものの,AQ値に変化はなかった.EDの病態評価に自閉性の観点も考慮することは重要と思われる.
- 2008-05-01
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