社会的責任否定論からみた現代のCSRにおける課題(地域発信の企業経営と経営教育)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
社会的責任否定論が活発に議論されたのは1960年前後であり、1970年代以降進展していないが、普遍的に繰り返される議論である。否定論と肯定論の議論においては、資本主義社会の解釈や時代変化による環境の相違などいくつか論点があるが、再検討を行った。利潤追求が目的の企業の社会的責任とは何かがCSRの限界や問題点を浮き彫りにするのであるが、その際の利潤の認識が、否定論と肯定論では相違することが見出せた。否定論が企業の責任という利潤の追求をなすためには、企業の価値創造が必須である。その際ステイクホルダーに対する利害調整が必要となり、この箇所をCSRと昨今は呼称している。つまり、利潤追求に結びつく活動は、所謂CSR活動としても、それは否定論者の否定する責任ではなく企業存続に必要なコストということになる。不祥事が多発し続ける現状より、企業が利潤追求を行う資本主義社会の新たなルールの役割を担うのが、CSRであると考える。
- 2007-11-22