10年生スギの雪圧害により生じた根元曲がりに対する遺伝パラメータの推定
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概要
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スギの雪圧害による根元曲がりに対して,遺伝パラメータを推定した。解析の対象とした検定林の数は13であり,交配セットの数は19である。各交配デザインは要因交配によるものであり,根元曲がり抵抗性候補木160系統および精英樹23系統が交配親として供試された。なお,これらの精英樹は根元曲がりに対して抵抗性があると評価されたことから,根元曲がり抵抗性候補木とともに交配親として供試されたものである。林齢10年次に調査を行った。解析の結果,根元曲がりに対する遺伝分散のうち相加的遺伝分散の占める割合が大きかった。このことから,根元曲がり抵抗性の育種については,相加的遺伝分散を利用した育種が効果的であり,採種園方式による種苗供給が適すると考えられる。推定された遺伝率は,0〜0.27であり,平均値は0.11であった。今後,根元曲がり抵抗性の育種をさらに進めるにあたり,根元曲がり抵抗性候補木を母集団として推定された本研究の遺伝率を用いて,遺伝獲得量などのパラメータを推定し,より効果的,効率的な雪圧害に対する育種の方法を検討するべきである。
- 2008-04-01
著者
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