てんかん患者のquality of life(QOL)に関する大規模調査 : 患者と主治医の認識の差異
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概要
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本調査では、てんかん患者やその家族と主治医との間における、患者のquality of life(QOL)に関連する臨床事項の認識の差異を捉えて、今後のてんかん治療に役立てることを目的とした。日本てんかん協会会員患者・家族5,122人に調査用紙を郵送し、患者・家族1,701人、主治医502人から調査用紙を回収した。そのうち患者・家族と主治医との間で対ができた427組を対象に認識の差異について検討を行った。患者.家族は薬物治療において、発作の頻度より程度が軽減されることを重要と考えていること、発作関連症状あるいは治療薬の副作用などにおいて、主治医が考えている以上に多くの悩みを抱えていることが明らかとなった。患者.家族と主治医の認識の差異を埋めることが、患者のQOL向上につながると考えられることから、限られた診察時間の中でお互いが効率的に意思疎通できるよう、具体的には発作表のつけ方を指導し、診察時には必ず持参させてそれをもとに話し合うなどが考えられた。
- 日本てんかん学会の論文
- 2008-01-31
著者
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久保田 英幹
独立行政法人国立病院機構瀞岡てんかん・神経医療センター:社団法人日本てんかん協会
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粟屋 豊
社会福祉法人聖母会聖母病院小児科:社団法人日本てんかん協会
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久保田 英幹
独立行政法人国立病院機構瀞岡てんかん・神経医療センター
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