大連における木材業者のニーズと日本産スギ材に対する反応 : 日中の木材文化の比較考察を加えて
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概要
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本研究は,輸出入が増大している中国の木材・林産物市場において,日本産木材輸出の課題と可能性を検討するために,木材業者の集積する遼寧省大連市を事例に,加工貿易を行う業者を中心に6社を対象として,原材料としての木材ニーズと,北九州市産の間伐スギ材を提示した上で日本産木材への反応を聞き取り調査した。日本産スギ丸太は大連で1m^3が600〜800元位という安値の予測評価を受けたが,品質自体には良い評価があった。日本向けの構造用集成材,内装材,家具の原材料はロシア産アカマツ材が多く,日本産木材の輸入には価格の調整,大量輸入,製材品輸入の課題があった。また,製品の日本輸出を想定するなら,販売先確保のための日本企業間ネットワークの要望もあった。さらに,近年増加している欧米向け製品の原材料としての日本産木材輸出の開拓も検討課題であると思われた。中国国内向け製品には,日本産スギ材は用途の提案が求められ,中国の高級な内装材である「木線」に適する可能性も指摘された。最後に,中国への木材輸出は日本の木材文化の輸出という課題も持ち,日本産木材を使用した中国産製品の輸入は日本の木材文化の逆輸入となることを指摘した。
- 2008-03-01
著者
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- 書評 有岡利幸著『里山1・2』
- 有岡利幸著, 里山I・II, 法政大学出版局, 2004年3月, 262頁(「里山I」)・265頁(「里山II」), 各2,940円