明治中期における和紙へのサイジング技術導入 : 産業史的意味の考察
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概要
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外来産業の受け入れの形で洋紙製造業が操業する明治中期,高知県の和紙抄紙技術者,吉井源太が,在来技術の上に西洋の化学的知識に基づく技術を取り入れてサイジング技術などの近代的な和紙抄造技術を開発した。これにより,使用可能な原料の種類が多様化し,生産能率が向上した。この結果,新しい種類の筆記用紙,複写用紙,その他用途向け用紙が手漉和紙業者によって作られた。これは手漉き和紙生産額の増加をもたらし,さらに,現代の機能紙生産の基礎ともなった。
- 2008-03-01