メタノール濃度測定の信頼性について
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概要
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前報(産業医学1983;25:440)では作業環境中の有機溶剤の濃度測定のために,捕集した全量をガスクロマトグラフに導入可能なループ式ガスサンプラーを考案し,アセトン,トルエンおよびメタノールを含む空気の回収率を調べた.アセトンやトルエンについては良好な回収率が得られたが,メタノールの回収率は低かった.これはメタノールが従来考えられていたようにガラス壁の吸着ばかりでなく,分解によることもその一因であることを示唆したような結果が得られたことを報告した.本報では,メタノールがガラス表面上で分解することを再確認し,同時にその分解生成物を同定し,さらにこのような分解がガラス容器表面のみでなく固体吸着剤であるシリカゲル上でもその分解を避けることができないことから,メタノール濃度測定の信頼のできる方法は,これを含む空気をその分解量が無視しうる程度に十分量シリカゲルに捕集することであると結論した.
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
- 1986-05-20
著者
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小川 幸次
北里大学衛生学部放射線科学教室
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小川 幸次
北里大学衛生学部
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新沢 和裕
北里大学衛生学部放射線科学教室
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斎藤 充平
北里大学衛生学部放射線科学教室
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瀧 幸
北里大学衛生学部放射線科学教室
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新澤 和裕
北里大学衛生学部放射線科学教室
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