開心術後,非閉塞性腸管虚血(NOMI:non-occlusive mesenteric ischemia)の早期診断および治療戦略
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概要
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非閉塞性腸管虚血(NOMI)は希であるが,早期診断が難しく,腸管壊死をきたし予後不良である.1999年4月から2003年9月まで,開心術後1,040例のうちNOMIは5例であった.全例,発症時に大腿部の大理石紋様と,血中乳酸値の上昇を認めた.上腸間膜動脈(SMA)造影を行い,SMA内にPGE1500μgを30分で持続動注した.腹膜刺激症状を呈した3例に開腹術を施行した.5例中4例を救命した.NOMIの診断では血中乳酸値の上昇とともに皮膚の大理石紋様は臨床的にきわめて有効な指標であった.NOMIが疑われた場合,血管造影による早期診断早期治療が肝要と考えられた.
- 2008-03-15
著者
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渡辺 卓
仙台厚生病院 心臓血管外科
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渡辺 卓
仙台厚生病院心臓センター心臓血管外科
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柳沼 厳弥
仙台厚生病院心臓センター心臓血管外科
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河原井 駿一
仙台厚生病院心臓センター心臓血管外科
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濱崎 安純
仙台厚生病院心臓センター心臓血管外科
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柳沼 厳弥
仙台厚生病院心臓血管センター心臓血管外科
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