敬語の新しい区分について
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概要
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2007年、文化審議会の国語分科会によって答申として示された『敬語の指針』では、敬語の区分が従来の三分法から五分法へと改変されている。「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」という従来の区分の原型は、明治時代の現代口語文法生成期において既に見ることができる。以来100年に亘って一般的な敬語分類は維持されていくことになるが、一方では敬語論的な視座に立った別種の敬語分類が多くの研究者によって試みられてきた。それは時に敬語を狭義の概念とした二分法であり、また時に細分化された下位カテゴリーを伴うものであった。そのような敬語研究の成果が『敬語の指針』における分類の改変に反映されているということを、敬語分類の歴史的経緯を辿りながら検証していく。