難治性顔面痛の脳神経外科治療 : 末梢神経刺激(<特集>痛みの脳神経外科治療)
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概要
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難治性顔面痛に対する顔面電極埋め込みによる末梢神経刺激(peripheral nerve stimulation; PNS)について,われわれの経験に文献的考察を含めて報告する.今回,歯性上顎洞炎術後の難治性顔面痛1例,交通事故による顔面外傷後の難治性疼痛2例,脳出血後の顔面痛1例の計4例にPNSを行った.顔面外傷後の2例はPNSが有効で,脳出血後の1例では効果は一時的で疼痛は再発した.上顎洞炎術後の1例では刺激電極の追加留置・刺激条件の調整が必要で治療に難渋したが,痛みは頬部の局所へ限局化し,アロディニアは消失した.今回の結果から,頭部・顔面の難治性疼痛のうち,求心路遮断の要因が少なく,中枢性でもない,局在の明確な神経因性疼痛に対するPNSの有効性が示唆された.簡便性と低侵襲を特徴とするPNSは,難治性顔面痛の有用な一選択肢となりうることが示唆された.
- 2008-03-20
著者
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