1200年前後のドナウ河流域における文学事情 : バッサウ司教区を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ドイツ語文化圏では1200年前後、つまり1190年から1210年までの20年間は、文学史上まれに見る豊穣な時期であった。これは、18世紀から19世紀にかけてゲーテ、シラーを中心としたドイツ文学の隆盛期に匹敵する。ちょうどその頃に、ドナウ河流域では英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』が誕生し、恋愛歌謡「ミンネザング」のすぐれた歌人たちが輩出している。この文学現象を語る場合、パッサウ司教の宮廷とバーベンベルク家のウィーン宮廷の存在を無視することはできない。しかしながら、その実態については必ずしも十分に解明されているわけではない。本論文では、『ニーベルンゲンの歌』および歌人ヴァルター・フォン・デァ・フォーゲルヴァイデ等の歌謡テクストの解読を通じて、また歌人たちと彼らのパトロンであったパッサウ司教やバーベンベルク家のオーストリア公との関係を通じて、当時のドナウ河流域における文学事情を明らかにしたい。
著者
関連論文
- 中世恋愛歌謡の写本断片「ブタペスト・フラグメント」と「魔の歌」
- 1200年前後のドナウ河流域における文学事情 : バッサウ司教区を中心に
- 1200年前後のドナウ河流域における文学事情 : 『クードルーン』は英雄叙事詩か