フェニトロチオン散布後の大気環境中での動態予測
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概要
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水田にフェニトロチオンを散布した後に,分解物の1つであるフェニトロオキソンの稲体中濃度と大気中濃度を散布当日から散布3日後にかけて測定した.水田1m^2当たりの稲体中濃度は0.5mg/m^2から0.1mg/m^2に低下した.大気中濃度は,調査期間を通じ<0.02〜0.07μg/m^3で推移した.また,フェニトロオキソンとフェニトロチオンの稲体中濃度比は,大気中濃度比との間に正の相関が認められた.稲体上のフェニトロチオンが光分解によりフェニトロオキソンに変化したときの稲体中濃度を予測したところ,実測値と概ね一致した.さらに,稲体上のフェニトロオキソンが揮発した場合の大気中濃度を予測し,実測値と比較したところ,約1/6〜6倍の誤差範囲で実測値とほぼ一致した.一方,大気中のフェニトロチオンが光分解によりフェニトロオキソンに変化したときの大気中濃度を予測したところ,予測値は実測値と比べて極めて小さかった.従って,水田に散布されたフェニトロチオンは,揮発や分解によって消失していくが,一部が葉面上でフェニトロオキソンに光分解され,揮発によって大気中へ流出していくと考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 2008-02-20
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