主要科目としてのコンピュータセキュリティ
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概要
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本稿で紹介するのは,遠隔授業によって多数の生徒にコンピュータセキュリティを教授する目的でイギリスのオープン・ユニバーシティが採用した手法である。増大の一途をたどるコンピュータ関連分野における技術的・法制的・社会的環境の変化を反映させるために同大学の教材はどのように変わり,カリキュラム開発プロセスにおける教育機関の役割は同大学においてどう見直されることになったかを詳述する。コンピュータセキュリティについての教育を学部課程の最も早い段階から始め,大学院課程においてさらに深く掘り下げて続けるのが効果的であろうというのが筆者の主張である。また,セキュリティとプライバシーをとりまく専門的かつ倫理的な問題意識を従来のセキュリティの技術的な側面に結びつける筆者のアプローチについて論じる。この手法においては,コンピュータセキュリティとプライバシーに関連する法規体制にスポットを当てることにより,学生は関連する国内及び国際法について基礎的な理解を得る。情報セキュリティのリスク評価・リスク管理のための国際標準の重要性,ならびにコンピュータセキュリティカリキュラムにおけるフォレンジックコンピューティングの関わりについて論じる。結論として筆者のカリキュラム開発方法論を検証した上で,実務者主導型の教授手法を議論する。
著者
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RICHARDS Mike
The Open University
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PRICE Blaine
The Open University
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NUSEIBEH Bashar
The Open University