韓国にやってきた釈迦とイエス : 宗教間排他性克服の課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
仏教はインドの釈迦を奉る宗教であり、キリスト教はパレスチナのイエスを奉る宗教である。仏教とキリスト教は異なる地域で生まれた宗教でありながら、今日、共に世界的宗教として成長し、現代文明の基礎になっている。本文の目的は、世界的宗教であり、また、韓国を代表する二つの宗教-仏教とキリスト教の友好的とは言い難い出会いが、結局、宗教間の排他性から発していることを反省的に吟味するところにある。まず、統計資料からみた韓国における宗教の状況を述べ、なぜ韓国でキリスト教は成功し、仏教は少なくとも最近まで失敗者の運命を辿らなければならなかったかを検討する。その上、宗教間の排他性、すなわち、寛容性(tolerance)の欠乏から起こったソウルの江南大学リ・チャンス教授の事件を紹介することによって、韓国における宗教間排他性の実態を明らかにし、社会統合のためにそのような排他性の克服が重大な課題であることをいま一度確かめたい。