分散性媒質における波束の実験
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概要
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分散性媒質における波束の伝わり方を,ゆっくりと観察することが可能な波動実験装置を製作した。装置は,それぞれ長さ55.0cm,質量331gの一様な真鍮棒と,幅5.0mm,厚さ0.3mmの鋼帯とから組立てられた連成振動系で,真鍮棒を,その重心より4.35cmの位置において鋼帯に垂直に,間隔2.50cmおきに固定したものである。装置は,支台により,真鍮棒は鉛直に,鋼帯は水平になる状態で支えられていて,一端の真鍮棒を数回,正弦的に振動させることにより,波束を送り出した。波束の群速度は約5cm/s,位相速度は約20cm/s程度で,波束の先端の波が次第に消衰し,後端に新たに波が発生しながら波束が伝わる様子をゆっくりと観察することができた。また8mm撮影機,モータードライブによる写真撮影より求められた波束の波形,群速度,位相速度は理論とよく一致した。なお,低周波遮断周波数以下及び高周波遮断周波数以上の振動に対する減衰波についての実験結果も理論とよく一致した。
- 愛知学泉大学の論文