女性労働と福祉の発展
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
福祉と女性とのかかわりを考えるとき、福祉サービス受給者としての立場にある女性と、またそのサービス提供者としての女性、という両側面を指摘することができる。どちらの場合も、歴史的に女性が大きな割合を占めている。しかも両者は複雑な関係性のもとに、切り離すことのできない相互関連性を持っていることがわかる。一方では福祉サービスの受給対象となる立場にあり、自立が不可能で社会的援助を必要としている"社会的弱者"としての女性と、他方では支援を求めている人々に対し、必要な"福祉サービス提供者"としての女性である。福祉サービスを受ける対象者には、男性よりも社会的自立が困難な立場にある女性が圧倒的に多い。また生活維持、介護の担い手としての役割は、従来女性が家族の中で行なってきた。しかし社会環境の変化に伴い、従来家庭の中で遂行されていた役割は、次第に家庭外で、家族以外の人に対し、職業として行なうようになった。その仕事は、あたかも「女性の天職」であるかのように捉えられ、発展してきている。ここでは、女性労働と福祉労働の発展と経緯、家族の福祉ニーズとその社会化、また女性の就労を可能にするための福祉サービスに焦点を当て、考えていきたい。