応挙の絵画の心理学的一考察(2)(開学40周年記念号)
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概要
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本論考は,円山応挙の絵画についての自伝的回想法によって記述されたものです。応挙は江戸時代の画家ですが,江戸絵画はブームといっていいほど現代日本人にも人気があります。その人気の根底にある考えを心理学的に考察しました。応挙の造型理念は写生にあります。その造型理念の形成・発達を心理学的に考察するに当たって,筆者は,応挙が,「平安人」という都会でなく亀岡という田舎の生まれ育ちとする,凰水の説に立っています。それはフロイトの言う応挙の「原風景」は京都ではなく,亀岡であると筆者が思うからです。その根拠を,「牡丹孔雀図」「大瀑布図」「幽霊図」「龍門鯉魚図」という4つの応挙の代表的な作品を取り上げて,しかも筆者の幼少期からのこれらの絵画についての個人的な体験と学説を根拠に解釈を述べました。最後に,応挙の世界観として日本人がそのこころの深層で古来から共有しているアミニズムの問題について,筆者のユング研究所での夢の分析を通して考察しました。
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