ミニバレーが中年女性の体力と気分に及ぼす影響
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概要
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本研究は,ミニバレーが中年女性の体力や気分に及ぼす効果を検討することを目的とした。被験者は,北海道在住でミニバレーチームに所属している中年女性20名と,コントロール群としてミニバレー群と同様の年齢,体格で,日常定期的な運動を行っていない女性20名の合計40名とした。介入期間は3ヶ月間とし,この前後に体力測定と気分調査を行った。体力の指標として握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,1000m急歩,立ち幅跳びの6項目を実施した。また,全被験者に歩数計を装着してもらい,1週間の身体活動量を測定した。気分調査にはPOMSを用いた。その結果,身体活動量はミニバレー実施群が有意に大きい値を示した(p<0.05)。体力測定では,反復横とびと立ち幅跳びにおいて有意な交互作用が認められた。そのほかの項目には,有意な交互作用が認められなかった。そこで,1回目から2回目の変化量を検討した結果,1000m急歩において両群の間に有意な差が認められた。気分の調査では,POMSの活気,緊張-不安,抑うつ-落ち込みのそれぞれの尺度において,それぞれ有意な交互作用が認められた。ミニバレー実施群は活気が高くその他のネガティブな気分が低く表れていた。一方,非運動群は怒りと混乱の尺度以外は増加傾向にあり,活気尺度が減少していた。以上のことから,定期的な運動の継続的実施は下肢機能の維持・向上に有効であることが明らかになった。また,ミニバレーボールのようなレクリエーション的なスポーツは,気分を向上させ,ネガティブな気分を晴らすことが明らかになった。