キリスト教における女性リーダーシップの変容 : アメリカ・メソディズムという事例研究を通じて
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概要
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アメリカキリスト教は植民地時代から、長い間ジェンダー・パラドックスに直面してきた。女性信徒が教会の大半を占める反面、教会の公的リーダーシップは男性によって支配されてきたという事実がある。しかし1970年代に女性聖職者が急増したように、キリスト教会における女性リーダーシップは歴史的に一様ではない。本稿は歴史的にも全国的に拡大したアメリカ・メソディズムを事例研究することによって、女性による宗教的リーダーシップがアメリカ宗教社会において、歴史的に何故、どのように変容・発展してきたのかを明らかにする。1970年代以降における先行研究では、女性の個人的宗教経験が女性の宗教的リーダーシップの変容・発展を促してきたことを論じてきた。しかしながら本稿はアメリカ・メソディズムの歴史を通じて、個人的宗教経験に加え、メソディズム教会の確立した組織性、そしてメソディスト女性と世俗社会におけるフェミニズムとの連動の三要素がアメリカ・メソディスト女性の宗教的リーダーシップを多様化・発展させてきたことを明確化する。
- 同志社大学の論文