成人歯科検診受診者の歯周病原性細菌に対する血中抗体価とCommunity Periodontal Indexの関連性
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概要
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鹿児島県A町に居住する40歳以上の成人183名を対象に,歯周病原性細菌に対する血中IgG抗体価と歯周疾患の重症度との関連性について調査した.ELISA法によりAggregatibacter (Actinobacillus) actinomycetemcomitansの各血清型(a〜e)の全菌体,およびPorphyomonas gingivalisの全菌体,同精製線毛に対するIgG抗体価を測定した.各々の抗原に対する抗体価間では,A. actinomycetemcomitansの各血清型に対する抗体価間すべてに有意な正の相関が認められ,c型,e型に対する抗体価は抗P. ginggivalis全菌体抗体価とも有意な正の相関を示した.抗P. gingivalis線毛抗体価はP. gingivalis全菌体抗体価とA. actinomycetemcomitansのa型全菌体に対する抗体価に相関を示した.歯周病重症度とはA. actinomycetemcomitansの血清型aとeの全菌体,P. gingivalisの全菌体,同線毛に対する抗体価が有意な相関を示した.P. gingivalisとA. actinomycetemcomitansはともに歯周病原菌として知られているが,その病態は異なっており,各々の菌に対する抗体価を併用することで,より正確な歯周病診断が可能になるものと思われる.
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2008-01-30
著者
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