学習モデルを観察するだけでタイミングをどのくらい学習できるか? (古川勝巳教授定年退職記念号)
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概要
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本研究は、タイミング習得を試みる学習モデルの観察学習効果について検討した。被験者にはスタートボタンを押した後、300msec間隔で板を3枚倒し行き、ゴールボタンを押すというタイミングの習得が求められた(合計目標時間:1200msec)。身体練習条件は30試行の習得試行において身体練習を行い、各試行直後にKRが与えられた。KRの内容は各板に触れた時間間隔と合計時間であった。身体練習時の様子はVTRに記録され、学習モデル観察条件の学習モデルとして提示された。学習モデル観察条件は習得試行で学習モデルの観察のみ行い、身体練習は一切行わなかった。分析の結果、(1)両条件下で習得試行を通じたタイミングの習得が認められた。そして(2)学習モデル観察は合計時間が安定し、相対タイミングの習得に効果が見られた。しかしながら、学習モデル観察は、合計時間の正確性が身体練習条件ほど学習されなかった。身体練習は、学習者の時間感覚と実時間を対応させるのに重要であると考えられる。
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