昆虫病原性糸状菌分生子のイエシロアリ腸内からの検出
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概要
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イエシロアリ職蟻(Coptoterms formsanus Shiraki)は相互グルーミングにより,表皮上に付着した昆虫病原性糸状菌を摂食除去し,消化管から体外に排出している.Metarhizium anisopliae,Paecilomyces fumosoroseusおよびBeauveria brongniartiiの3種の昆虫病原性糸状菌分生子を用いて,集団飼育(10匹飼育/90×15mmペトリ皿)および単独飼育(1匹飼育/30×15mmペトリ皿)したイエシロアリ職蟻がグルーミング行動によって消化管内に取り込んだ分生子の検出を試みた.その結果,集団飼育した職蟻体表に付着した3種昆虫病原性糸状菌の分生子は接種3時間後に前腸より高率で検出された.集団飼育と単独飼育の検出分生子数の比較より,セルフグルーミングに比べ相互グルーミングによる分生子除去効率は高いことが示唆された.また、消化管内における発芽,体腔内への侵入が見られない要因として,摂食から排出までの速さのほかに分生子が発芽に必要な十分な栄養分を得られていない可能性が示唆された.
- 2007-12-28
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