ヴィルト2彗星粒子に含まれる有機物の化学特徴(<特集>スターダスト探査が解き明かす原始太陽系の姿)
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概要
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スターダストミッションの有機分析部門では,ヴィルト2彗星粒子に固有の有機物を検出する目的で,地上の最先端微小分析技術(走査型透過X線顕微鏡X線吸収端近傍構造,顕微赤外,顕微ラマン,2次イオン質量分析)が適用された.検出された有機物は主に,窒素・酸素を豊富に含む多種の官能基あるいは脂肪族炭素から構成され,その組成は試料によって多様であった.一方で芳香族炭素の縮合の程度は低く,熱変成を殆ど受けていないことが示唆された.また重水素Dと^<15>Nに富み,彗星粒子に固有の有機物であると判断できる確かな証拠が得られた.個別に分析が行われたアミノ酸の種類と存在量は極めて少なかった.多環式芳香族炭化水素(PAHs)は1環から6環からなる分子が同定され,環の数が大きい分子ほどその相対量は減少する分布を示した.
- 2007-12-25
著者
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薮田 ひかる
Geophysical Laboratory, Carnegie Institution of Washington
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薮田 ひかる
Geophysical Laboratory Carnegie Institution Of Washington
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