空間反転対称性のない物質における超伝導
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来発見され研究されてきた多くの超伝導体は,その結晶構造に空間反転対称性を有している.これは超伝導の担い手であるクーパー対にとって,パリティの保存がその性格を特徴づける上で本質的に重要なゆえである.ところが最近,空間反転対称性のない結晶構造を有する超伝導体が新たに発見された.これらの系で実現するパリティの破れたクーパー対は伝統的なBCS理論の枠組みから外れた新規物性を生み出す.本稿では空間反転対称性のない系で期待されるスピン一重項対-三重項対混合,超伝導磁気電気効果,位相が空間変調した超伝導状態などの新しい超伝導現象について紹介する.
- 2008-01-05
著者
関連論文
- 空間反転対称性のない超伝導に関する最近の進展(不均一超伝導超流動状態と量子物理,研究会報告)
- 空間反転対称性のない物質における超伝導
- 量子1次元系の有限温度における輸送現象 : 厳密解からのアプローチ(最近の研究から)
- 12.低次元フェルミ粒子系の性質(京都大学大学院理学研究科物理学第一専攻,修士論文題目・アブストラクト(1989年度))