統計学から見た大量観察方式の運用
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概要
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労働委員会において、不当労働行為を認定する際、個別の組合員に対する差別的取扱いを立証するには審査に膨大な労力と時間を要する場合がある。「このような場合には,少なくとも外形的格差の立証については個別立証に代え、あるいはその補強として大量観察方式が主張される。」大量観察方式とは、不当労働行為を申し立てた組合員集団と、それ以外の会社員集団を比較して外形的格差が存在するか否か、そしてその格差が組合員であることに起因するものか否かを審査する方式である。この方式は、集団間の比較を行う以上、統計学的に見て妥当なものでなくてはならない。また統計学の進歩が大量観察方式の正確化・効率化に寄与することも考えられる。この研究ノートでは、大量観察方式の運用を統計学の立場から考えることにする。具体的には、外形的格差の存在とその程度に、合理的な理由があるかどうかを検討する際に用いられる統計理論についての議論を行う。なお、不当労働行為であると認定するには,大量観察方式による結果だけでなく、使用者の不当労働行為意思や、個別審査の結果等を総合して判断しなければならないことに留意されたい。
- 関西大学の論文
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