2.2 第2講義『コメからみた日本農業の将来 : 世界コメ市場の特殊性とFTA』(コメと果物からみた日本農業の将来,平成17年度石川県立大学公開講座)
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概要
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日本はすでにいくつかのFTA(自由貿易協定)を締結している。FTAでは実質上全ての貿易に関して少数国間で関税を10年以内に撤廃するとGATT 24条に規定されている。FTAには例外が貿易額の10%程認められる慣例があるが稲作などを考えるとこれでは日本に農業を維持できない。特にコメは日本人やアジア人の主食であり、アジアで5億戸ほどの家族小農によって世界の90%が自給的に生産され、故に世界コメ貿易市場は非常に薄く不安定になり、アジア諸国はコメ自給政策により国民の食糧安全保障を確保し、稲作農業のその他の多面的機能も維持してきた。日本列島に適切な循環構造を持った持続的な農林水産業を維持し、多面的機能を確保するためには、日本やアジア諸国でコメ自給を堅持すべきであり、FTAは促進すべきではない。
- 2006-03-31
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