中国の金融構造と企業統治
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概要
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上場企業の金融構造は企業統治に対して重要な影響を持っている。本文は2000-2004年に中国上場企業のデータを用いて実証研究を行い,以下の結論を得ている。すなわち,国有株と流通株の比率,および資産負債比率などの指標は,企業のパフォーマンスとの間に有意に負の相関関係を持っている。他方,筆頭株主の持株比率および第2-5位大株主の持株比率は,企業のパフォーマンスとの間に有意に正の相関関係を持っている。そのため,国有株の「一株独大」の状況を変え,大株主の支配権を争う株式の比率を高め,外部の関連制度を整備し,債権融資による企業への"ハードな制約"を強化すれば,中国上場企業のガバナンスの効果を改善することができる。