脳動脈瘤破裂による脳出血で発症した感染性心内膜炎に対し,開頭手術と開心術を二期的に施行した1例
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概要
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感染性心内膜炎は比較的高率に脳梗塞や脳出血といった脳合併症を併発しうる.とくに感染性脳動脈瘤の破裂による脳出血の合併は予後を左右するうえで重要であり,的確な診断と治療,それと合わせて原疾患である感染性心内膜炎をどのように治療していくかは重要な問題である.今回われわれは,感染性脳動脈瘤の破裂による脳出血で発症した感染性心内膜炎症例に対し,開頭手術を先行させたうえで,開心術を二期的に行い良好な結果を得たので文献的考察を加えて報告する.症例は62歳,男性.脳出血で脳神経外科に入院したが,心エコーで僧帽弁および大動脈弁に付着する疣贅と弁破壊による重度の逆流を認め,活動期感染性心内膜炎と診断した.心不全兆候を認めなかったため,まず開頭血腫除去術および脳動脈瘤切除術を施行した.脳出血発症4週間後に大動脈弁,僧帽弁,三尖弁置換術を施行した.術後経過は良好で,神経学的合併症なく回復した.日心外会誌37巻1号: 21-24 (2008)
- 2008-01-15
著者
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