デッカ・システムにおける夜間測得位置線の偶然誤差に対する確率適応制御
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概要
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海上の固定点(利尻,奥尻,茂浦)での夜間測得位置線の偶然誤差を,前日のモニター点により確率適応制御を行った結果,偶然誤差の変動を1/2から1/3に抑える事が出来た。特に,パワーの大部分を占める低周波領域での制御結果を明らかにする為,観測値を入力とし,予測値を出力とする応答系としてとらえ振幅特性,位相特性コヒーレンシィにより,周波数領域での制御結果を検討した結果,パワーが6dbが減少する帯域幅において,適応制御が,ほぼ正確に行なわれていた。一方,観測値が0.03CPMから0.1CPMの帯域で,パワーの増加が認められる場合,及び自己回帰モデルの次数の増加が認められる場合は,高周波領域での制御効果が減少する傾向がある。偶然誤差の変動の変動において,高周波領域の占める割合は,全体の1/100から1/25であり,操業時における位置線の偶然誤差制御という本研究においては,問題とならない。しかし,制御精度の改善という,全周波数領域での偶然誤差制御の面からとらえると,より広い変動現象を包含する自己回帰移動平均モデルの採用が望ましいと考えられ,今後の研究課題とする。次に,モデルの空間的な適用範囲を決定するに当たって,函館,釧路,稚内での評価関数εを比較した結果,ε間に有意差は認められず,北海道全域での偶然誤差の適応制御に当たっては,1測定点をモニター点として予測・制御する事が可能となった。最後に,モデルの経時的変化により,モデルの時間的な適用範囲は2日から4日と,比較的短かい事が明らかとなったので,前日のモデルを用いて翌日の偶然誤差の適応制御を行なうのが,一番妥当であると考えられる。最後に,本研究に際し,デッカ受信機の便宜を計って頂いたセナー株式会社に深謝します。
- 社団法人日本航海学会の論文
- 1977-08-20
著者
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