グラファイト磁性層間化合物C_6Euの磁気的性質の理論(修士論文(1982年度))
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概要
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反強磁性体C_6Euについて,次の2つの特徴が実験で見い出されている。(1)グラファイト層にはさまれたEu^<2+>イオン(^8S(4f)^7)のスピンがXY磁気異方性をもつ。(2)磁化曲線(磁場はc面内)に1/3plateauが現われる。磁気異方性の起源として,従来,結晶揚が考えられてきた。しかし,C_6Euでは,結晶場の効果はIsing異方性を与え,実験に現われたXY異方性は,-層状物質に特有な,新しいメカニズムとして-π-f交換相互作用から生じることを示した。また,π-f交換相互作用から出発して,Euスピンの配列(零磁場)が3--sublatticeのHelical構造であることを導出した。さらに,このHelical構造と磁化との相互作用が磁化曲線の1/3plateauをもたらす4スピン相互作用であることを示した。
- 物性研究刊行会の論文
- 1983-08-20