ビジネスモデル提案型の産学連携の新概念(Web 2.0時代における情報システム構築の現状と未来)
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概要
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本論文は,企業の存在目的としての「社会に利便性を提供して利益を上げ,もって社会の公器たること」に焦点を当て,産学連携の目的として,"企業の利益"を中心にすえることを提起している.現在行われている産学連携の中では,大学の多くの研究者において,"その技術が適用される市場規模"や"企業から見たビジネスの魅力"に立脚して研究テーマを設定するという観点は薄いのかもしれない.この観点で研究テーマが設定されないと,大学ではいくら研究しても,その成果が企業ですぐに十分な利益を生まないことになり,「大学の開発成果がなかなか企業に移転されにくい」という可能性が高くなる.本論文では,"技術開発"中心ではなく,"売り方の開発"という新しい概念に基づいて,"研究開発のアウトプットである新技術の換金性"を考えるべきことを提起している.また,"研究シーズとなる新技術のビジネス性に対する市場研究"を実施し,その成果である"ビジネスモデル"と"新技術の開発結果"をセットで企業に提供するという"ビジネス提案型"での産学連携について提案している.さらには,企業側で必要となる人材像を先取りした,大学教育のあり方についても言及している.
- 2007-11-23