Normalized Cutsの評価基準を用いた階層型クラスタリングの提案
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概要
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多種多様なアルゴリズムのひしめくクラスタリング・アルゴリズムの中でも,近年注目されているものにNormalized Cutsがある.Normalized Cutsの最大の特徴は,固有値分解を行うなど行列計算を多用する点にある.基本的には,Normalized Cutsは分割クラスタ数を固定した上で,独自の評価基準のもとでクラスタ分割を得るという手法である.クラスタ数を固定するため,クラスタ数を変えることに対する柔軟性には乏しい.またNormalized Cutsは行列計算を行う際に,粗行列化することによって計算量をO(n<1.5>)に減らしてるが,粗行列化できない場合にはO(n<2.5>)にまで増大してしまう.(nはデータ数である.)本論文で提案する階層型アルゴリズムはNormalized Cutsのこれらの問題点を解消できる.いったん実行してしまえば,様々なクラスタ数の解を得ることが容易である.また,計算量は常にO(n^2)である.アルゴリズムの基本的な骨格は古典的な階層型手法に似ている.しかしNormalized Cutsの評価基準を用いているために,両者の長所を併せ持つ.すなわち,Normalized Cutsのように任意の形状のクラスタを得られ,かつWard法のように樹形図を得ることができる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2007-11-30