臨床分離Serratia marcescensの伝達性プラスミドおよび非伝達性プラスミドの検出と耐性伝達に関する研究
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概要
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Serratia marcescensの薬剤耐性因子に関する報告は,接合伝達による伝達性プラスミドの検出によるものが殆んどで,DNAを抽出し形質転換による非伝達性プラスミドの検出まで行う,DNAレベルでの解析は皆無に等しい.そこで,この解析への一端として,本研究は,臨床由来のSerratia marcescens 99株についてその耐性型を,また,耐性菌についてはその伝達性,非伝達性プラスミドの検出を行った.さらに検出したプラスミドDNAについてはアガロースゲル電気泳動法でDNAを確認した.特に薬剤耐性プラスミドのうち,PC耐性についてはβ-lactamaseの型別を基質特異性から調査した.その結果,TC,CER,ABPCはSerratia marcescensの自然耐性とは考えられず,とくにABPCは耐性プラスミドが高頻度に検出された.このABPC耐性プラスミドは伝達性,非伝達性プラスミドでともに検出率が最も高く相互に関係があると思われた.伝達性プラスミドでは,施設と分離時期で3群に群別するとA群(対象群:1979年3月から1980年2月分離),B_1群(前期群:1980年6月から7月分離)でABPC,KM耐性型が,B_2群(後期群:1980年8月から12月)でSM,SA,ABPC,KM耐性型が最も多く,Epidemic plasmidと考えられ,これらは短期間で変化した.また,非伝達性プラスミドの伝達性化が示唆され,伝達性プラスミドだけでなく非伝達性プラスミドも臨床的に重要と考えられた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1985-12-20
著者
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